明の時代に活躍した劉伯温(りゅう・はくおん)は、清廉潔白な軍師として皇帝から絶大な信頼を得ていました。彼は、伝染病に見舞われた今日の中国を暗示するような予言を残しています。
〈陝西省太白山にある劉伯温の碑文〉
天有眼,地有眼,人人都有一雙眼,(天に眼があり、地に眼がある。人々にも両眼がある)
天也翻,地也翻,逍遙自在樂無邊。(天が翻り、地が翻り、悠々自在に無辺である)
貧者一萬留一千,富者一萬留二三,(貧者1万人のうち千人が残り、富者1万人のうち2、3人が残る)
貧富若不回心轉,看看死期在眼前。(貧者も富者も、心を入れ替えなければ、死は目前である)
平地無有五穀種,謹防四野絕人煙,(平地に穀物はなく、四方に人煙はない)
若問瘟疫何時現,但看九冬十月間。(疫病が出現するのは、冬の十月である)
行善之人得一見,作惡之人不得觀,(善を行う者は見ることができ、悪事を働く者は見ることができない)
世上有人行大善,免遭此劫不上算。(世の中には大善を行い、この災難から免れるようにしている人たちがいる)
還有十愁在眼前:(目の前に十の愁いがある)
一愁天下亂紛紛,二愁東西餓死人,(一つ、天下が紛争で乱れる。二つ、世界中で餓死者が出る)
三愁湖廣遭大難,四愁各省起狼煙,(三つ、湖の広い地域が大難に遭う。四つ、各省から狼煙があがる)
五愁人民不安然,六愁九冬十月間,(五つ、人民は不安になる。六つ、十月の冬を超えられない)
七愁有飯無人食,八愁有人無衣穿,(七つ、ご飯はあるが食べる人がいない。八つ、人はいるが、衣服を着ていない)
九愁屍體無人撿,十愁難過豬鼠年。(九つ、死体を埋葬する人はいない。十、イノシシ年とネズミ年を超えるのは難しい)
若得過了大劫年,才算世間不老仙,(もし大災難の年を乗り越えれば、ようやく世間の不老不死の仙人になれる)
就是銅打鐵羅漢,難過七月初一十三,(銅を打ち羅漢を鋳る、7月13日を乗り越えるのは難しい)
任你金剛鐵羅漢,除非善乃能保全,(金剛の身体でできた羅漢に任せ、 非を退け善を持てば安全である)
謹防人人艱難過,關過天番龍蛇年。(人々を必死に難から守り、タツ年とヘビ年を過ぎて初めて大難が過ぎる)
幼兒好似朱洪武,四川更比漢中苦, (洪武帝のように子供は大丈夫だが、四川は漢の中で更に苦しい)
大獅吼如雷,勝過悼百虎,(大獅子が雷のごとく吼え、倒した百の虎を悼む)
犀牛現出尾,平地遇猛若,(サイが尾を出し、平地を猛々しく彷徨う)
若問大平年,架橋迎新主,(太平の時期はいつか 橋を架けて新しい主を迎える)
上元甲子到,人人哈哈笑,(甲子の年の上元に至り、人々は笑っている)
問他笑什麼?迎接新地主,(彼らは何を笑っているのか? 新しい主を迎えたからである)
上管三尺日,夜無盜賊難,(上は三尺の日、夜は盗賊もいなくなった)
雖是謀為主,主坐中央土,(主になりたいと誰が謀ろうとも、主が中央に坐す)
人民喊真主:(人民が真の主に向かって叫ぶ)
銀錢是個寶,看破用不了,(金銀財宝は、無用だと悟った)
果然是個寶,地下裂不倒,(財宝があっても、地下が裂けることを防ぐことはできない)
七人一路走,引誘進了口,(七、人、一があり、口の中に弓をひく)
三點加一勾,八王二十口,(三つの点に一と匂を加え、八と王、また二十と口がある)
人人喜笑,個個平安。(人々は笑い、平安を喜んでいる)
謎解き言葉の解釈―真、善、忍
予言には、謎解きが含まれていることがあります。碑文の最後にある「七人一路走,引誘進了口」「三點加一勾,八王二十口」を解釈しましょう。
七人一路走, 引誘進了口:
これは、「眞」(「真」の古代文字)です。上部に「七」、下部に「一」と「人」があります。「口」の中に「弓」の文字をぴたりと入れると、中部の「目」ができます。「引」の右側(縦の直線)を左側につければ、「眞」となります。
三點加一勾,八王二十口:
三點加一勾は、「忍」です。「匂」の文字を分解し、勹(つつみがまえ)に一を加えたら、「刃」になります。「匂」の下部の「厶」に、三つの点を加えると、「心」になります。「刃」と「心」で、「忍」です。
八王二十口は、「善」です。八を逆さまにした文字が上部にあり、中部に「王」があります。下部に「廿」(中国語で二十の意味)を入れ、底辺に「口」を加え、「善」になります。
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災いを避ける方法は一つしかありません。心に善を保ち、邪を退けることです。古代中国の予言は、真・善・忍というメッセージを残しています。
(轉載大紀元)